アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170210 | アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草

アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170210

 【晴】《9日の続き》
 節分の夜は、どこの辻を行っても、一升枡を持って豆まきをする人や、間もなく始まる鎧行列を見物するため、大通りに出る人達が沢山歩いていた。

 足元から這い上がって来る恐ろしく冷たいものを、いつもと違う華やいだこの夜の気分を壊す事は出来ない。

 着ぶくれに加えて首にぐるぐると巻いたマフラーで、皆の姿は豆タンクのようで面白い。

「オイ、鎧行列は何時からだ」

 長谷川が宮内に聞いた。

「多分8時からだ。今頃は西校の校庭に集合してるんじゃねえか」

 以前は緑町の八雲神社が起点だったが、最近は西校から出発するらしい。

 私はここ数年鎧行列を見物していなかったので、今夜は久し振りに通りに出るか、鑁阿寺まで足をのばしてみようかと思った。

「豆まき終わったら、鑁阿寺まで行くか」と皆に声を掛けると、「ウン、行くべ、行くべ」という事になった。

 5丁目の八雲神社は街の中にあるせいか、緑町の八雲神社に比べるとかなり狭い。

 いつもなら、こんな時刻の境内は墨を流したように真っ暗だから、とても入って行く事など出来ないが、今夜は大勢の人達が出入りしていて賑やかなものだった。

 皆は先を争って一升枡を持ち、「鬼は外福は内」を大声で叫びながら、やけくそのように豆まきをした。http://www.atelierhakubi.com/


著者: NoData
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